第2回ふじの自然学校レポート

枯れ沢の詰まりを取って小川が出現してから一ヶ月。果たして、森はどんな変化を遂げたのでしょうか。
今回の講座はフィールドからスタート。地形図で確認しながら、これからどんな森を整備するのかを参加者に見てもらいます。前回、詰まりを取って小川になった本流部分は、一ヶ月経っても、しっかりと水が流れていました。しかも泥水ではなく透明な水です!

しかし前回、水の湧き出した中央高速の橋脚真下に位置する側溝には、再び泥が堆積していました。これは主に、中央高速からの排水を流す溝から溢れ出た水が、その脇の裸地化した急斜面を伝って泥と一緒に下の側溝に流れ込んだためと推測されます。そこで、この日はまず、上の排水溝を掃除するところから始めました。
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排水溝が直角にカーブする部分の蓋を取ると、そこには落ち葉や泥がたっぷり詰まり、ヘドロ化してドブの臭いをはなっています。矢野さんによれば、溝がカーブする部分に角が残っていると詰まりやすいので、できるだけ流線型にした方がよいとのことです。
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続いて溝の脇の斜面に丸太を横向きに並べ、土留めを設置。斜面の一番下には溝を掘って、そこに丸太や小枝を埋めていきました。この土留めの上からは落ち葉をたっぷり振りかけて、水の浸透を促します。「浸透しながら流れてくる水は、加速度がつかないから泥を一緒に流さないんです」と矢野さん。

次の作業はもっとも重要かつ、緊急の課題。「トイレ」の建設です。水田跡の広場で地面に穴を掘り、その周りに、前回束ねて立てかけたササを利用して壁を作りました。小一時間で、住みたくなるような見事なトイレが出来上がりました。ドアはありませんが、「カタツムリ式」で、ぐるぐる回って内部に進むので、入ってすぐに先客と出くわし、気まずい思いをする心配はありません。
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完成したトイレを眺めながらのお昼ご飯、そしてお昼寝の後は、周囲の伐採、伐根作業。水田跡の広場を中心に、チェーンソーや、チルホールという手動のウインチを使って、枯れ木を伐採・伐倒していきました。この作業によって、周辺のエリアの風通し、水通し、光通しがよくなります。 
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同時に、前回出現した小川をスコップで上流に向かって掘り進め、更に上に伸ばしていきました。この際に、空気の詰まりをとるために動かした大きな石は、水が通った後、もう一度川に置きなおします。これは、水の流れを緩やかにし、雨天時などに一気に流出することを防ぐためです。
詰まりを取っていくうちに、小川は次第に流れが力強くなり、せせらぎも聞こえてきました。どこから現れたのかサワガニも嬉しそうに泳いでいます。少しずつ森が変わり始めているのでしょうか。
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作業の後は、公民館に移動して、この日の作業のおさらい。質疑応答の中で、森の変化をどう感じ取ればよいのかというお話になりました。水がきれいになって植物が呼吸を始めると、葉を光にかざすと輝くような色に、落ち葉は有機ガスの嫌な「臭い」から、よい「香り」に変わるそうです。土の変化を感じとるのに一番よいのは足の裏。皮膚感覚で、土の固さが変わっていくのが分かるとのこと。「五感」によって、これからの森の変化を感じていくのが楽しみです。
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「藤野トランジション学校」開催

森部の母体でもある「トランジション藤野」で開講する「藤野トランジションの学校」のお知らせです。
森部も登場します!

持続可能なまちづくりを市民が自らの創造力を駆使しながら進めていくイギリス生まれの市民運動、トランジション・タウン。地域通貨よろづ屋、藤野電力、森部、お百姓クラブなどの様々な活動グループが誕生し、メディアに取り上げられることも多くなってきたこの活動を地域の新しいコミュニティづくりの一つの実例としてご覧いただけたらと思い、今年「藤野トランジションの学校」を開講することにしました。

※トランジション•タウンとは、地域にある人的物的資源を活用した等身大で持続可能な社会に移行(トランジション)していく活動です。2008年に日本で初めてのトランジション・タウンとして立ち上がったトランジション藤野も今年で5年目を迎えます。

具体的には、4月から月に1回、毎回テーマと担当の活動グループを変えながら1泊2日で計7回のワークショップ形式のプログラムを実施します。以下、その日程とテーマ、および担当です。

1)4月13日(土)・14日(日)トランジション・タウン トランジション藤野
2)5月11日(土)・12日(日)地域でつくるみんなのエネルギー 藤野電力
3)6月8日(土)・9日(日)森の再生への道筋を探る     森部
4)7月13日(土)・14日(日)自給自足のつながりを作ろう お百姓クラブ
5)9月14日(土)・15日(日)超高齢社会をどう支える?  健康と医療
6)10月12日(土)・13日(日)自分たちの価値を見直そう 地域通貨よろづ屋
7)11月9日(土)・10日(日)新しいつながりが生まれる  コミュニケーション

このプログラムの趣旨は、たとえば有名な講師をお招きして知識や情報をレクチャーするというタイプの講座とは少し異なります。実際に地域で活動している市民が、自分たちの活動を通した経験や気づきなどを、実際に一緒に手を動かすことも含めて共有したいという想いから始まっています。

私たちもこの活動によって、つながることの安心感、いっしょにつくることの感動、自然の恩恵の気づき、活動する楽しさ、たくさんの宝物ができました。楽しみながらみんなで創造力を発揮すれば、一人では出来ない想いが、少しずつ現実になっていきます。一緒にそのノウハウを共有しませんか?

・ 地域のために何か出来ないかと思っている方
・ 皆が参加出来るまちづくりの活動をお考えの方
・ 持続可能な暮らしに興味のある方
・ コミュニティづくりがお好きな方
・ 藤野地域に興味がある方
・ トランジション・タウンについて興味のある方

この案内を読んで少しでも心が動いた方のご参加をお待ちしています!

<詳細>
●会場:藤野倶楽部 無形の家 神奈川県相模原市緑区名倉3743-1
●時間:1日目午前10:00~ 2日目午後4:00
●参加費: 70,000円(全7回)また、各回限定数ですが1回12,000円で受講することが出来ます。
上記の金額に含まれるもの・・・会場費・2日間の食費(2日目の朝食を除く)・温泉代
上記の金額に含まれないもの・・・宿泊費・2日目の朝食代
●宿泊 別途1日4,000円で古民家での宿泊が可能です。
●定員:20名(先着順)
●お申込:http://kokucheese.com/event/index/75312/ からお申し込み頂くか、
以下のメールに氏名・住所・メールアドレス・電話番号(携帯をお持ちの方は携帯の番号も)・参加を希望される回・宿泊の有無をご連絡ください。ttfujino@gmail.com
●お問い合わせ:ttfujino@gmail.com

きらめ樹材~藤野電力バッテリーBOX~




先日製材されたこの材は、藤野電力による、自然エネルギー充電ステーション太陽光発電のバッテリーBOXに使用されます。


このステーションは、藤野まちづくりセンターのご協力により、電気自動車、電動画バイク、携帯電話の充電ステーションとして、また災害時の緊急エネルギー拠点として設置するものです。設置に使用する木材は、藤野電力と同じ背景を持つ、トランジション藤野森部の間伐材を使用しています。


森林再生と自給エネルギーが、見える範囲の身の丈で繋がりました!
(藤野電力Facebookより)


【お知らせ】
自然エネルギー充電ステーション
設置見学会

3/16(土)13:00~
ふじのアートヴィレッジにて

お申し込み不要だそうです。
お待ちしておりま~す。







材が加工されるまでのレポートはこちらです~

はじめてのきらめ樹材

2010年の夏から
森のお手入れを続けてきた森。

きらめ樹した木が、
初めて材へと変身しました。

森と街がつながる
初めての形が
藤野電力での充電ステーション。

同じバックグラウンドである、
トランジション藤野のワーキンググループ
藤野電力が森と街をつないでくれて、
森部としては、嬉しい形です。


森から材へ生まれ変わる一部始終をレポートします。


まず、こちらが今までの
きらめ樹体験会で伐採した木たち。





本数にして、4本分。
このコたちが、みーなさんちで、
今から生まれ変わってゆきます!


まずは、長さを揃えるのにカット
チェーンソーのエンジンが
なかなかかからず、談笑中…




カットしたあとは、製材へ。





いい香りが漂います~


製材はみーなさんのむすこさんが担当。
その前作業をみんなで分担。
まず、面とり~





墨ぱっちん
製材時のガイドづけ。






みんなで製材されてゆく行程を見守ります。







真っ二つに割ったら、
今度は板へ。


面とりして、製材。







板になりました!




持ってる人が山主さん。
写真撮られまくりで、
はにかんでいる模様。
下を向いちゃいました。





しげしげと
製材された材を見つめる
いしげさん。


年輪のちょうど真ん中。



並べておくと、
木だった名残りがわかります。





木目が美しい~





このコたちが、
充電ステーションでデビューします。





初めての送り出し。
完了。


森の活動が一つ、形になりました♪

3月24日(日) 第二回、ふじの自然学校




ご存知でしょうか?
日本の大地の多くが病んでいることを。


私たちと同じく、大地も呼吸しています。
私たちの体内を気血がめぐるように、
大地にも地形に沿った
水と空気の動きがあります。

コンクリートにより
その流れが遮られてしまうと、
大地は呼吸困難となり、木は枯れ、
泥水が出たり、斜面崩落など、
様々な問題が生じてきます。


すべての生命がいきいきと安心して
そこで暮らしていくために、
大切なのは、豊かな自然の再生。

いのちを吹き返したお山で
自然と共にある昔ながらの
里山暮らしを蘇らせてゆきたいと、

大地の再生法を見出された
矢野智徳さんを講師にお迎えし、
水と空気の循環に着目した、
大地の再生法を学び、実践してゆきます。

どこの環境でも基本は同じです。

身近な森、お家の庭…。
是非、この機会に
皆様のまわりでお役立てください。


<講師プロフィール>
矢野智徳氏 NPOもりの会副理事長
日本造園連合会員・環境再生医
詳細。私の森.jp『あの人の森語り』
http://watashinomori.jp/interview/image_itv_19.html


■日時
3月24日 10時ー17時

■集合場所
JR 中央線藤野駅 相模原市緑区小渕
(なるべくお乗り合わせの上起こし下さい)

■集合時間
9:30

■参加費:5000円(保険込み)

■定員:30名

■講座内容
●環境整備の要、水脈整備の実践

■講座スケジュール
09:30 集合、受付
10:00 フィールド
12:00昼食
13:00フィールド
15:00 移動
15:30 質疑応答&シェアリング
17:00 解散

■持ち物:軍手、タオル、水筒、雨具、保険証、お弁当
剣スコップ、のこぎり、ノコ鎌、剪定ばさみ(あればお持ち下さい)

■服装:汚れても良い服(長袖、長ズボン)、長靴(動きやすく濡れてもよい靴)、帽子

■主催:トランジション藤野 森部

■お申し込み・お問合せ
下記のフォームよりお願いします。
http://form1.fc2.com/form/?id=825449  




<2013年(前期)スケジュール>
第2回 3月24日(日)
第3回 4月27.28日(土、日)
第4回 5月25.26日(土、日)

第一回、ふじの自然学校レポート

2/24.いのちめぐる風土の再生塾。
無事に終了いたしました。
ご参加ご協力下さったみなさま、ありがとうございます。

矢野さんに山をみてもらって、
地主さんにもお越し頂き、
さらにはたくさんの参加者の方にまで。

スタッフ一同、感慨ひとしお。
ありがとうございます。


それではさっそく
講座のレポートをどうぞ~






2/24、ふじの自然学校『いのちめぐる風土の再生塾』開催されました。
講師の矢野智徳さんは、水と空気と光の流れに注目した独自の手法で、日本各地の荒廃した山林や農地を再生する、注目の庭師さんです。





この日はフィールドに入る前に、矢野さんが環境再生に関わってきた沖縄や関西などの事例を見ながら、矢野理論のお勉強。



土砂の崩落や泥水の流出などの様々な問題を引き起こす要因が、コンクリートで固める土木工事です。コンクリートの重みで土壌が潰されると、土の中の空気が動けなくなります。すると、本来空気によって動かされる水の流れも滞ってしまいます。更に、土の中に浸透できなくなった水は表層だけを削り、泥水となって流れ出します。矢野さんは現場で空気の流れの重要性に気がつき、それを改善する整備で成果を上げてきました。
驚いたことに下流部での空気の停滞が上流部にも影響するとのこと。紀伊半島の山林の事例では、尾根でドブの匂いがするので要因を探ってみたところ、下流で砂防ダムが建設されていたそうです。




これまでの「災害を防ぐためにコンクリートで固める」という常識とは異なる、現場で積み重ねた経験に基づく説得力のあるお話に、参加者の皆さんも興味津々。活発に質問が出ていました。





そして午後はいよいよフィールドへ出て実習です。
中央高速の橋脚の下にあたる山麓部では、沢は土石で埋まり、所々に泥水が澱んでいて、風向きによってはドブのような匂いも漂ってきます。水は全く流れてはいませんが、コンクリートの側溝が崩れていることから、大雨の時には一気に土石を含んだ水が流れてくることが分かります。



この日は、山麓から沢の詰まりを取っていくことになりました。まず、沢に堆積している倒木や枯れ枝などを取り除きます。







この木や枝は、沢の脇に積み重ねて土留めに利用。コンクリートと違い、積み上げた木は隙間を空気と水が通り抜けることが出来ます。


矢野さんがユンボをまるで手足のように操縦し、沢に堆積した泥を掻き分けていくと、あら不思議。泥の中からゴボゴボと水が湧き上がってきました。




同時に参加者は剣スコップで、上流部に向かって堆積した泥や石を掻き分けていきました。






ほんの少し前まで単なる澱んだ沢だったのに、まるでお風呂の栓を抜いたように水が流れ出し、小一時間も作業を続けると小さな川が出現!




続いて、沢を少し上に登り、かつて水田だった平坦な場所へ。地面には刈り上げたササが敷き詰められていますが、これも寝かせておくと水を吸って腐ってしまい、土の中の空気の通りも悪くなるので、参加者で束ねて木に立てかけます。その間、矢野さんはまたユンボを操縦し、通気をよくするための溝を掘っていきます。何となくじっとりと湿っぽいこの森の中。これも通気が悪かったせいなのでしょう。「ねっとりした土の質が変わって来る筈です」と矢野さん。



1時間ほどでこの作業を終え、山麓へ戻ってくると、沢を流れていた泥水が、早くも透き通った水に変わっていました!
今日の作業を経て、次回までに、果たしてこの森はどんな風に変わっていくでしょうか。


講座記事~Mr.B~





次回の講座は、3/24(日) 10時より。
同じく、相模原市緑区小渕のフィールドです。
一ヶ月後の変化を見にいらしてください。

詳細はこちらを


まる一日フルフィールドの予定です。
最後に質疑応答の時間も設けております。矢野ワールドを満喫していってくださいね。