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5/25~5/26 第4回ふじの自然学校報告~種籾を蒔くの巻~

 前回に引き続き、今回も2日連続講座。初日は藤野中央公民館でのお話です。整備をどこまですればよいのか、環境が改善しているかどうかをどこで見分けるのか等、矢野さんの経験に基づいた話には含蓄があります。
水脈整備は「車の運転」をイメージするとよいそうです。水は急傾斜で加速しますが、蛇行しながら減速し、流速を一定に保ちます。運転も地形に沿って加速と減速を上手に行うことで安全で効率のよい運転ができるとのこと。こんな風に、普段から自然の合理的な仕組を意識して生活したいものです。

2日目のフィールド実習では、前日の座学でも話題に上った、環境が改善されたポイントを見ていきました。下草は全体に黄緑色をしていて、くすんだり黄色っぽく変色したりしているところはありません。これは土の中で空気が動く状態になり、呼吸が出来るようになったからだそうです。土を触ってみると、土の粒がくっついて細かい固まりになった「団粒」が、しっかり出来ていました。この団粒は微生物の働きで作られるものです。空気が通っていない土壌では、生き物も呼吸ができず、土は細かいパウダー状になってしまいます。
講座が始まったのは冬の時期なので、その頃と草の状態を比べることはできませんが、最初の頃に枯れかけていたイヌツゲとヒイラギの木を観察してみました。確かにどの枝からも黄緑色の新芽が出ていて、息を吹き返しつつあるように見えます。溝を掘って空気通しがよくなったことで、土壌環境が改善されているのでしょうか。
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畑の野菜は、しっかり根付いていました。
この日の畑の作業では、野菜の周りに、生ゴミと米ぬかを混ぜた肥料を蒔き、その上から草で「グランドカバー」をかけていきました。草をかけることで、保湿性を高めるのと同時に、雨から土を守ることもできます。カバーにした草は最終的に分解され、畑の養分になります。グランドカバーは畑だけでなく、フィールド内の抜開地一体に被せていき、一面が緑の絨毯のようになりました。
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前回までに溝を掘った周囲では、乾いた表層土の上に、下層から掘り出した湿った土が被さっています。このままでは雨が降った時に水が保持できないので、鋤を使って土を均し、一様にしていきました。整地した土の上にも草でグランドカバーをします。
沢の水脈整備も引き続いて行いました。2本の沢をこれまでに掘った地点から更に上流へ進めて行きましたが、前回までに整備した部分で、再び水が枯れてしまっていました。これには下流の詰まりが影響している可能性があります。そこで下流の未整備だった箇所でも倒木を片付け、整備を始めました。

風通しを良くするため、木の剪定も行いました。剪定は、「重さ」と「濃さ」を見て行うとのことで、矢野さんは枝を揺すって張りを読み、切るとバランスがよくなる所を切っていきました。これは「風」が行う剪定と同じだそうです。うっかりすると切り過ぎたり、切り方が足りないと風が通らなかったりしそう。奥が深いです・・・。
初めての参加者から「マニュアルみたいなものがなく、自分で考えて調整するのが楽しかった」との感想がありましたが、自然と対話しながら進める作業は、マニュアルに沿うのではなく、観察と経験を通じて考えなければいけないのが難しさでもあり、楽しさでもあります。

この日はいよいよ「田植え」の予定でしたが、水が枯れて、すっかり田んぼが乾燥してしまいました。これでは田植えはできません。そこで急遽、矢野さんが水稲、陸稲のどちらにもなるという「イセヒカリ」の種籾を調達してくれました。イセヒカリは平成元年に伊勢神宮神田で誕生した新しい品種。神田のコシヒカリが台風でなぎ倒された時に、2株だけ立ち残っていたことで発見された不思議なお米です。
ということで、作業は田植えではなく種蒔きとなりました。乾いた田んぼに浅く溝を掘り、種籾をバラ蒔いていきます。溝は実験的に等高線に対して平行なものと垂直なものの2通りを掘ってみました。田んぼが乾いたままなら陸稲として、水脈整備で水量が増えれば水稲として育っていく筈です。矢野さん含め、稲の種蒔きは初めての経験なので、うまくいくかどうかは分かりませんが、イセヒカリの奇跡の生命力に期待です。
ふじの自然塾は来月はお休みで、次回は7/21(日)実施です。その間のフィールドの変化はこちらのブログで報告していく予定です。
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きらめ樹☆家つくりプロジェクト

新緑まぶしい5月

今までこつこつ活動してきた、きらめ樹 in MOSSROCK山より、いよいよ家つくり用の材を頂く時がやって参りました。

皮むき、伐採、搬出のフルコース。

時間の関係で講座中に、搬出しきれませんでしたが、後日スタッフで搬出がんばりました。ご協力くださったNPO法人森の蘇りの大西さん。どうもありがとう!

まず、木の健康診断




そして、皮むき(きらめ樹)



このままおいておくと、やがて葉が落ち、隙間から光が差し込むように、そして、一年半後、伐採して天然乾燥材として街へ。


伐採。
乾燥して軽くなっているので、倒す時、少しコツがいります。






林業はほんとうに大変な仕事。でもこんなふうに普通の人にだって、森に関わっていくことができるんです。しかも、楽しく♪

参加者のみなさん。みんな素敵な笑顔!この笑顔から伝わってきますよね。








この日は、地元の創和建設さんもいらしてくれて(今度の家の工務店さん)この事をブログにまとめて下さいました。ありがとうございます。



http://s.ameblo.jp/sowakennsetu/entry-11531294636.html




2010年より、思い悩みながらも続けてきたこの小さな活動が実を結び、家を建てるために、山から木を頂く事ができました。みなさんのおかげです。ほんとうにどうもありがとう。


地元の木を使った家。
自分たちで手入れした森の恩恵で家を建てる。

そんな流れがすこしずつつでも浸透していくといいな。


後日作業より。


荒廃した桧の林からは、土が乾燥し、山から採り出せる状態ではないので、数本伐採したのみですが、去年皮むきした桧は、一度か二度間伐の手が入っていた60年生の木でしたので、立派な健在を、山から頂く事ができました。


こんなに立派な桧!家の柱に使われます。




楽しみですね♪



おまけ。

なかなか倒れず、
モアイ像みたいな苦労のモニュメント…




林業もびっくりの(笑)
いいとこどりの、伐採ガールズ。

いのちめぐる風土の記録~田畑編~

2月より始まった、ふじの自然学校での整備の記録。ビフォーアフターをまとめてみました。


最初はこんな感じでした。
水田跡地(2013.2)







整備の様子(2013.4)
たいぶ緑がイキイキと輝いてる感じに







田んぼ出現!




陸稲、イセヒカリという品種を蒔きました(2013.5.26)




畑跡地(2013.2)




刈った笹、枯れた木々を整備して、空気通しを良くする溝をほりました。











畝をたて、苗を植えました。
(2013.4)




トマト、かぼちゃ、スイカ、里芋…
(2013.5)






空気の通りがよくなってきているので、葉っぱの色もいい感じだそうです。


水脈整備の記録は次に。
ひとまず、ここまで。

田んぼの溝堀りと丸太転がし

先週の月曜(5月13日)に、ふじの自然塾を開催している関野フィールドで、田植えの準備を実施しました。
日差しが気持ちの良い初夏の日。講師の矢野さんがボランティアで作業の指導をして下さって、平日の朝から働き盛りの大人たちが8人も集まりました。一体この人達は、どうやって暮らしているのかって?世の中には多様な働き方、生き方があるのです。
それはさておき、作業を通じて環境がよくなったためか、はたまた陽気のためか、以前はじっとりしていた森の中の空気が爽やか。緑の色も柔らかです。今、鳥たちにとっては恋や子育てのシーズン。キビタキ、センダイムシクイ、ウグイスたちのさえずりも聞かれました。経験不足の我々には見分けられませんが、矢野さんによれば、空気通しがよくなって、緑に“くすみ”がなくなっているとか。

この日の作業は溝堀り。田んぼの周りに溝を掘って、沢から田んぼに水を流します。
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また、田んぼの周りから伐採したスギを使って木道を設置。田んぼまでは人力で転がしていきます。
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と思わせて、途中から矢野式丸太移動装置の上を転がっていく丸太。
すごいぞ!丸太が自分で動いているぞ!
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丸一日かけて、見事な田の字の田んぼが出来上がりました。
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また、この日は植物博士IKTK氏によるフィールドの植物調査も実施。150種以上の植物の生育が確認できました。植物もこれからどう変わっていくかを追跡していきたいと思います。

4/27~28 第3回ふじの自然学校レポート2 ~畑出現!の巻~

2日目、フィールドでの実践講座では、まず前回手入れをした中央高速橋脚下を点検。土留めを設置した斜面からの土砂流出は止まりましたが、先月掃除したコンクリートの排水溝には、角にまた落ち葉が詰まってしまいました。前回、溝のカーブは流線型にしないと詰まりやすいという話が出ましたが、人間が作ったものは、すぐに角が詰まってしまうので、定期的なメンテナンスが必要とのこと。確かに部屋の角の部分にも、すぐに埃が溜まってしまいます。
自然界では人間によるメンテナンスは不要です。そこからもっと学ぶ必要がありますね。空気と水と光の循環を、そして生き物を出来るだけ阻害せず大事にすることで、自然の基本形を崩さずに、人間に使いやすい空間を作ることが出来ます。矢野さん曰く、昔の日本人にはそれが出来ていたそうで、鎮守の杜などを見ても、人工物が周囲の自然と共存して安定するような配置になっています。

フィールド内の谷あいの平地(谷戸)は、かつて棚田として使われ、階段状の地形が作られています。棚田の上段は現在も水が溜まった泥沼ですが、中にも周囲の斜面にもスギが植林してあって、全体が薄暗くなっています。ここに水田を復活させるため、思い切った間伐を行って光を通すことにしました。チェーンソーを使っての作業が多くなるのですが、この機械は一歩間違えると大きな事故につながります。そこで、地元の木工職人、みーなさんが、初心者のためのチェーンソー講習会を開いてくれました。チェーンソーはもちろん、山仕事自体初めてという参加者も、おっかなびっくり、丸太で木を切る練習。基本的な使い方、安全に使うための注意事項を教わった後、田んぼの周囲の枯れ木を中心に実践練習です。初心者も自分で木を伐採できました!
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その間、矢野さんはユンボでの水脈整備を、前回の箇所から更に上流に向かって進めていきます。ユンボが登れない急斜面では、伐採した木や枝を土留めに使い、即席の林道を作りました。切り開いた道の脇に木の幹を置いて杭で固定し、隙間に大枝と小枝を配置していきます。枝を組み合わせることで、空気と水が通りやすくなり、杭と幹だけの組み合わせよりも土留めの効果が高まります。「自然の中にあるものだけで土木作業ができるんです。生命活動を終えた有機物は、土の中で呼吸を続けながら新しい命にバトンリレーをして、静かに消えていきます」と矢野さん。
道を平らにならす時には鋤は下から上に向けて動かす、丸太で橋を作る際には人が踏んで圧力がかかる箇所に、通気をよくするために炭を蒔くといった工夫も伝授されました。ひとつひとつが空気と水の流れを考え、理にかなった作業になっています。
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この日は参加者でもある地元の植物博士、池竹さん主導でセリ摘みを行い、お昼ご飯には新鮮なセリを頂きました。お腹いっぱいになった後は、定例のお昼寝。これも自然の理に叶った大切なお仕事です。
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午後からは谷戸の下の段に畑を作っていきました。ここでは、前回までに行った沢の詰まりの除去、枯れ木の抜倒、溝掘りといった作業によって、空気と水の通りが改善され、ねっとりと重かった土が、少し乾いて軟らかい感じに変化しています。
矢野さんがユンボで深い溝を掘り、参加者がスコップで溝の合間に土を盛って、畝(うね)を立てていきました。この畝にサトイモの種イモやカボチャ、トマト、スイカの苗を植えていきます。隣接していても、少しの位置や傾斜の違いで、日当たり、湿度などに様々な違いがあります。日向を好む植物、ある程度日当たりが悪くても育つ植物、乾燥した場所を好む植物など、作物の性質も様々。それを読み取って、どこがどの植物に合うのかを考えることが大切です。
苗の周囲には、肥料として川から取ったヘドロを、その上には炭と腐葉土を置いてグランドカバーとしました。畝溝は、基本的には水脈に通して水が抜けるようにするのですが、沢の角度が急で、直接水脈につなげると崩れそうな場合などは、水を流す畝溝と直角に深い畝溝を掘り、落差をつけて水の勢いを和らげます。こうすることで、水はオーバーフローせず、ゆっくり沢に染み込んでいくそうです。
この地域にはイノシシやサル、ハクビシンなどの動物も多いので、今後その対策も考える必要が出てきますが、今回は作物が育つかどうかの実験ということで、うまく育てば動物達に御馳走ということになるかもしれません。
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畑の上段が、田んぼ復活予定地です。午前中の伐採により、大分光が通るようになりましたが、更に明るくするために周囲のスギを何本か切りました。途中、絡みついたツルが引っかかって木が倒れない場面もありましたが、矢野さんが素晴らしい霊長類の能力を発揮して木に登り、絡みついたツルを切っていきました。木に上にいる時にツルを全部切ってしまうと、そのまま木が倒れて命に関わります。最後のツルを残し、安全に木から降りて来られるのは長年の経験の賜物なので、初心者は真似をしないようにしましょう。
この場所は歩くと足が埋まってしまう泥沼なので、倒した木を2本ずつ組み合わせて周囲に渡し、木道として活用します。
来月の講座では、稲を植え、田んぼが復活する予定です。予想以上のハイペースで里山環境の再生が進んでいます。
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最後に集まって、今回のまとめ&感想のシェア。矢野さんは「百聞は一見にしかず」の続きの「百見は一考にしかず、百考は一行にしかず」というフレーズを引用して、学びのプロセスを説明。初めての参加者からは「木を倒せてとても楽しかった」「空気と光と水の流れを実感できた」「全て初めての体験だったけど全て納得だった」といった感想を頂きました。ふじの自然学校は、まさに聞く、見る、考える、行うというプロセスで、楽しい学びの得られる場となっています。

4/27~28 第3回ふじの自然学校レポート ~大変!相模湾が泥だらけ!の巻~

今回はふじの自然学校「いのちめぐる風土の再生塾」初の2日連続講座。
初日は上野原市にある矢野さんの事務所での座学です。遅い開始のため、腹が減っては何とやらで、夕食からスタートという斬新なプログラム構成です。お腹を満たした後、参加者の自己紹介。およそ半数は地元住民ですが、都内はもちろん、千葉や愛知など、遠方からの参加者もいて、バックグラウンドも様々。パーマカルチャーやランドスケープデザインなど、興味深い活動をしている方達もいました。

そして、いよいよ矢野さんの講座。今回初参加の方も多かったので、まずは矢野理論の概説を復習しました。
この日ちょうど大島の仕事から戻ってきたという矢野さん。上空から見た、藤野のフィールドの水脈が行き着く相模湾について「湾の岸に沿って泥水が澱(おり)をなすように広がっていました」と、目で見て確認できるまでに変化してしまった湾の様子を伝えてくれました。これは相模川に限ったことではなく全国津々浦々で生じていることで、残念ながら日本列島そのものが国土開発によって泥水の流出する空間に変わっているのです。衝撃の事実に恐怖する参加者(?)。
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一体日本の自然はどうなってしまうんでしょう!でも、我々にも出来ることはあるのです。それが学べるのがこの講座のよいところですね。
続いて矢野さんが環境再生に関わっておられる山林や住居の事例を見ていきました。
沖縄の事例は、元々スダジイが生い茂っていたにも関わらず、農地整備のための土木工事で木が枯れ、赤土がむき出しになってしまった山林。U字側溝を外して空気が通るようにしただけで、斜面に植物が再生していきました。埼玉の住居の事例では、庭に貼られたコンクリートの一部を壊して母材として使い、その上に木の枝葉を組み込んで空気が通るようにしました。これによって、庭に植物が育つようになりました。下に無機物、上に生物を組み合わせたこの手法では、自然の風化の過程が再現されています。
シンプルな工事で環境が甦ることに驚くと同時に、壊されてしまった自然も、まだ元に戻せるのではないかと希望が湧いてきます。ただし、我々に残された時間はそれほど多くはありません。衰退した流域で地震や豪雨が起きれば、大規模な災害を引き起こしますが、既に各地で目に見える影響が出てきています。また、生物達が住めない環境も広がっています。ヤンバルを訪れた矢野さんが、ふるまわれた魚介類の豊富さに驚くと、地元の人から魚介類がかつての10分の1以下に減ってしまったことを告げられたそうです。「これまでに人間がやってきたことから90度以上方向を変えないと絶対に元には戻せません」と矢野さん。質疑応答をしながら講義は続き、夜は更けていきました。
2日目の実践講座報告に続く
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