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4/27~28 第3回ふじの自然学校レポート2 ~畑出現!の巻~

2日目、フィールドでの実践講座では、まず前回手入れをした中央高速橋脚下を点検。土留めを設置した斜面からの土砂流出は止まりましたが、先月掃除したコンクリートの排水溝には、角にまた落ち葉が詰まってしまいました。前回、溝のカーブは流線型にしないと詰まりやすいという話が出ましたが、人間が作ったものは、すぐに角が詰まってしまうので、定期的なメンテナンスが必要とのこと。確かに部屋の角の部分にも、すぐに埃が溜まってしまいます。
自然界では人間によるメンテナンスは不要です。そこからもっと学ぶ必要がありますね。空気と水と光の循環を、そして生き物を出来るだけ阻害せず大事にすることで、自然の基本形を崩さずに、人間に使いやすい空間を作ることが出来ます。矢野さん曰く、昔の日本人にはそれが出来ていたそうで、鎮守の杜などを見ても、人工物が周囲の自然と共存して安定するような配置になっています。

フィールド内の谷あいの平地(谷戸)は、かつて棚田として使われ、階段状の地形が作られています。棚田の上段は現在も水が溜まった泥沼ですが、中にも周囲の斜面にもスギが植林してあって、全体が薄暗くなっています。ここに水田を復活させるため、思い切った間伐を行って光を通すことにしました。チェーンソーを使っての作業が多くなるのですが、この機械は一歩間違えると大きな事故につながります。そこで、地元の木工職人、みーなさんが、初心者のためのチェーンソー講習会を開いてくれました。チェーンソーはもちろん、山仕事自体初めてという参加者も、おっかなびっくり、丸太で木を切る練習。基本的な使い方、安全に使うための注意事項を教わった後、田んぼの周囲の枯れ木を中心に実践練習です。初心者も自分で木を伐採できました!
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その間、矢野さんはユンボでの水脈整備を、前回の箇所から更に上流に向かって進めていきます。ユンボが登れない急斜面では、伐採した木や枝を土留めに使い、即席の林道を作りました。切り開いた道の脇に木の幹を置いて杭で固定し、隙間に大枝と小枝を配置していきます。枝を組み合わせることで、空気と水が通りやすくなり、杭と幹だけの組み合わせよりも土留めの効果が高まります。「自然の中にあるものだけで土木作業ができるんです。生命活動を終えた有機物は、土の中で呼吸を続けながら新しい命にバトンリレーをして、静かに消えていきます」と矢野さん。
道を平らにならす時には鋤は下から上に向けて動かす、丸太で橋を作る際には人が踏んで圧力がかかる箇所に、通気をよくするために炭を蒔くといった工夫も伝授されました。ひとつひとつが空気と水の流れを考え、理にかなった作業になっています。
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この日は参加者でもある地元の植物博士、池竹さん主導でセリ摘みを行い、お昼ご飯には新鮮なセリを頂きました。お腹いっぱいになった後は、定例のお昼寝。これも自然の理に叶った大切なお仕事です。
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午後からは谷戸の下の段に畑を作っていきました。ここでは、前回までに行った沢の詰まりの除去、枯れ木の抜倒、溝掘りといった作業によって、空気と水の通りが改善され、ねっとりと重かった土が、少し乾いて軟らかい感じに変化しています。
矢野さんがユンボで深い溝を掘り、参加者がスコップで溝の合間に土を盛って、畝(うね)を立てていきました。この畝にサトイモの種イモやカボチャ、トマト、スイカの苗を植えていきます。隣接していても、少しの位置や傾斜の違いで、日当たり、湿度などに様々な違いがあります。日向を好む植物、ある程度日当たりが悪くても育つ植物、乾燥した場所を好む植物など、作物の性質も様々。それを読み取って、どこがどの植物に合うのかを考えることが大切です。
苗の周囲には、肥料として川から取ったヘドロを、その上には炭と腐葉土を置いてグランドカバーとしました。畝溝は、基本的には水脈に通して水が抜けるようにするのですが、沢の角度が急で、直接水脈につなげると崩れそうな場合などは、水を流す畝溝と直角に深い畝溝を掘り、落差をつけて水の勢いを和らげます。こうすることで、水はオーバーフローせず、ゆっくり沢に染み込んでいくそうです。
この地域にはイノシシやサル、ハクビシンなどの動物も多いので、今後その対策も考える必要が出てきますが、今回は作物が育つかどうかの実験ということで、うまく育てば動物達に御馳走ということになるかもしれません。
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畑の上段が、田んぼ復活予定地です。午前中の伐採により、大分光が通るようになりましたが、更に明るくするために周囲のスギを何本か切りました。途中、絡みついたツルが引っかかって木が倒れない場面もありましたが、矢野さんが素晴らしい霊長類の能力を発揮して木に登り、絡みついたツルを切っていきました。木に上にいる時にツルを全部切ってしまうと、そのまま木が倒れて命に関わります。最後のツルを残し、安全に木から降りて来られるのは長年の経験の賜物なので、初心者は真似をしないようにしましょう。
この場所は歩くと足が埋まってしまう泥沼なので、倒した木を2本ずつ組み合わせて周囲に渡し、木道として活用します。
来月の講座では、稲を植え、田んぼが復活する予定です。予想以上のハイペースで里山環境の再生が進んでいます。
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最後に集まって、今回のまとめ&感想のシェア。矢野さんは「百聞は一見にしかず」の続きの「百見は一考にしかず、百考は一行にしかず」というフレーズを引用して、学びのプロセスを説明。初めての参加者からは「木を倒せてとても楽しかった」「空気と光と水の流れを実感できた」「全て初めての体験だったけど全て納得だった」といった感想を頂きました。ふじの自然学校は、まさに聞く、見る、考える、行うというプロセスで、楽しい学びの得られる場となっています。
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