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3/22(土)・2014年第一回ふじの自然学校報告~ラインに空気を入れるの巻~

 藤野にも春がやってきました。冬の間お休みしていた自然学校も再開です。
 今回の参加者も、建築や設計に関わる方、町おこしの一環で森林整備や木材の活用をしている方など、多彩な顔ぶれでした。
 午前中は公民館での座学。水脈整備の考えの基礎から講義が始まり、具体的な事例の紹介をしていきました。
 矢野さんは折に触れて、現在のコンクリート固めの砂防ダムの弊害について言及されていますが、たとえコンクリートの砂防ダムが造られてしまっていても、環境を改善することはできます。

これは砂防ダムに溝を切った断面図ですが、こうしたくぼみを造るだけで、そこから空気が抜けていきます。空気が抜ける分だけ、ダムに溜まった土が軟らかくなります。すると、そこの土に草が生えられるようになり、そこから次第に生き物が増えていき、生き物が環境を改善する「プラスのバトンリレー」が始まっていくそうです。
saboudam.jpg

 森林整備のための間伐をされている参加者から、間伐による環境改善を水脈整備の視点からどう捉えるかについて質問がありました。矢野さんの考えでは、植林地での手入れ不足が土砂崩壊などを引き起こすというのは、見た目の現象です。深層を見ると、そうした森では水脈の中の空気が動いていないという問題があります。地上の改善作業は必要だけど、水脈に目を向けず間伐だけしていたのでは事態を改善できません。また、間伐はやり過ぎても、やらなくてもダメ。では、どれくらいやればいいのでしょうか?普遍的な回答はありません。「どこまでやればいいのかは、現地で確認するしかありません」と現場主義の矢野さん。

 というわけで、午後からはフィールドで実習です。
 水脈整備を始めて1年。以前に比べてフィールド全体の植物が活き活きしてきました。元気がなく枯れそうだったツゲの樹からも、新しい葉がたくさん出ています。

 この日は畑と田んぼの周囲の溝に剣スコップで穴を掘りました。地面に高低差を作ることで、停滞している空気を動かすのです。次に、沢に堆積した木の枝や土石などを取り除いていきました。
 これらの作業はどちらも「ラインに空気を入れる」作業です。矢野さんいわく「点と線を変えれば面と立体が変わります」線にあたる谷の部分の空気の通りを良くすると、そこから生き物たちが活動を始めて「プラスの連鎖」が生じ、次第に山全体が変化していくのです。
mizohori.jpg

 この冬、藤野地区は大雪に見舞われましたが、その影響もあってか、沢の中にはたくさんの木や枝が積もっていました。また、川や田んぼの周りの水路を掘ると、所々灰色の土が出てきます。これはグライ土といって、酸素が不足し、土の中の酸化鉄が還元状態になって出来た土。こういう土が出てくるのが、空気の通りが滞った場所です。
sawaseibi.jpg

 元々十分水が流れているところは水の通りを改善する必要はありません。と言っても、どこまでやればよいのかというのが難しいところですが、「お手本や教科書はなくて、その場所の地形や水自体が教本です」と矢野さん。
しかし、現在の土木工事はその反対。橋を作る時は流れの強い場所でも弱い場所でも同じ太さ、同じ間隔で橋脚を作り、自然界は流れを蛇行させて緩めるのに、砂防ダムを作る時は、流れに対して垂直にダムを設置します。そのことで自然に建造物を壊されても、また同じように作り直します。土木工事も自然界に学ぶ姿勢を取り入れていかないと、取り返しのつかないことが起きてしまうのではないでしょうか。
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